■自民党公共工事低入札緊急対策会議について
「日刊建設通信新聞」(平成18年12月13日掲載)
公取委がダンピング調査
不当廉売適用も視野
大手、準大手など対象
公正取引委員会は、ダンピング(過度な安値受注)問題に対して、大手、準大手ゼネコンなどを対象に公正工事物件の損益状況調査を開始した。独占禁止法の不公正な取引方法である「不当廉売(=2面に言葉ファイル)」違反の有無が目的。すでに国土交通省は公取委との連携強化を新たなダンピング対策の一つに位置づけている。調査結果によっては、公取委が大規模工事でも、不当廉売として行政処分を行う可能性が出てきた。
公取委の調査対象は、国土交通省と都道府県・政令市の発注工事で、低入札価格調査制度の対象以外も含めた全受注物件。
対象期間は2004年度、05年度と06年度上期(06年4月−9月末)。7日付で対象企業に送付し、28日が回答期限となっている。
具体的には受注工事それぞれの、(1)入札年月日(2)工事名(3)予定価格(4)落札価格(5)落札率(6)入札時の一般管理費(7)入札時の一般管理費率(8)実行予算時の一般管理費(粗利益)額(9)実行予算時に粗利益率(10)最終契約額(11)決算時の粗利益額(12)決算時の粗利益率−の12項目について求めている。
公取委は、独禁法が禁止する不当廉売について建設工業に対する考え方を04年4月に公表、これまで3件を警告していた。
ただ、今回の調査は国交省直轄、都道府県、政令市発注工事を対象にしており、大手、準大手ゼネコンなど全国ゼネコンが主要対象になっているとみられる。
調査対象企業数について公取委は、調査部局が違反の有無を審査する審査局であることから、「内容次第で摘発の可能性もあり、答えられない」としている。
低下価格受注問題は、ことしに入って大規模工事でも大きくクローズアップされ、国土交通省は4月にダンピング対策を打ち出したが、低価格競争は加速していた。このため、自民党も公共工事低入札緊急対策会議を設置し、行政に対しダンピングへの対応を求めていた。
公取委の今回の調査もこうした流れの一環で、公共工事の損益調査に踏み切ったものとみられる。
調査結果によって仮に公取委が不当廉売として適用する場合、警告か排除措置命令が想定されることから、今後公取委が公共工事の著しい低価格問題にどのような対応を示すか注目される。
自民対策会議
行政の対応に強い不満
国、地方自治体のダンピング対策に対して、自民党から対応が不十分だと強い不満の声が上がっている。
11日に開いた自民党の公共工事低入札緊急対策会議では、青木幹雄参議院会長や古賀誠元幹事長らから予定価格を大幅に下回る低価格受注を容認する発注行政の在り方そのものを問題視する声が相次いだ。
結果的に、「認識が甘い。今後どれだけ改善されているかしかと見届けさせてもらう」(脇雅史参議院議員)と、行政にもう一度ポールを投げ返した形となった。
11日の会議は、10月30日に対策会議として決議した低価格入札問題解決に向けた提言に対する各省の対応のフォローアップが目的だった。
青木参院会長は「(低価格受注は発注者自ら)自分の積算を間違っていることを見逃していることになる。ましてや低価格は手抜きや下請けいじめにつながる。(ダンピング対策を)すぐに実行できるように」と強い不満を示した。
また、古賀元幹事長も「このままではわれわれは予定価格の在り方を問題視せざるを得ない。(行政は)もうひとひねりできないか」と行政側に新たな対応を求めた。
結果的に自民対策会議は、行政のダンピング対応について再考を求めた形となった。このため、2006年度内に再度各省の対応についてヒアリングする。
▲TOP
|
■ホーム
|
コラム一覧へ戻る
|